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自分の興味のあるものから始めよう。気負い過ぎずに始めることが社会人の学び継続のコツ

長野県塩尻市役所勤務

大西 乃愛 さん

「リスキリング」「社会人の学び直し」など、何かとクローズアップされている大人になってからの学び。実際に学んでいる人は、どういった目的を持ち、何を学んでいるのでしょうか。また、仕事との両立はどうしているのでしょう。社会人1年目から自主的に学び続けてきた塩尻市市役所観光課の大西さんにお聞きしました。

周りとの知識差を埋めたくて社会人1年目から学びをスタート

現在のお仕事についてお聞かせください。

塩尻市役所の職員3年目です。2022年4月に観光課に異動し、市主催のイベント企画・運営やブランディングに関わる仕事をしています。

 

社会人として学びに関心を持った時期はいつですか?また、そのきっかけは何だったのでしょうか。

学びに関心を持ったのは、入庁1年目からですね。役所でのお仕事経験が豊富な方が周りに多く、知識量や知見の広さ・深さに関して自分との差を感じたんです。先輩たちと会話する中で、自分の言いたいことがなかなか伝わらないと感じ、成長してその壁を払拭したいと学び始めました。

 

興味のあるものについて下調べし、合うと思えばカジュアルに挑戦

これまでにどのようなものを学ばれてきたのでしょうか。

1年目は配属先で社会保険など労務管理に関わる事務を担当していたこともあり、労務や法律に関する本を読むなど、仕事に直結する学びが多かったです。あとは社会人としてのマナーを身に付けたいと思い、秘書検定を受けたりもしましたね。

仕事に役立てられそうなもの、興味の湧いたものに自らいろいろ手を出していたのですが、職場にSchooさんのオンライン研修が導入されることになってからは、その研修も活用して学びを広げていきました。動画を活用した学びが初めてだったので、テキストだけのものよりもわかりやすさが増すなと思いましたね。ちなみに2022年10月からは通信制大学に入り、法律分野について目下勉強中です。

 

オンライン研修を始める以前は、どのような方法で学ばれてきたのですか?

本が中心でした。まず書店に行って、実際に本を手にとってみてから「これだ」と思うものを買うようにしていました。秘書検定は、高校で検定について学ぶ授業があった際に3級を取得していたんです。社会人になり、より実務的なマナーを知りたいと2級を取得しました。

 

仕事とプライベート、学びの両立は大変ではないですか?

正直、個人的にはそこまで大変だと思っていません。自分の興味があるものを学んでいるため、学生時代のような「やらされ感」がないからかもしれませんね。

また、社会人1年目はコロナ禍の影響が色濃かったため、外出が難しく、家で過ごす時間が長かったという事情もありました。だらだらと休日を無駄に過ごしてしまうのももったいないなと思って、無駄に過ごすくらいなら自分のためになることをしようかなと。何かやっていないと落ち着かないタイプなんだと思います。

 

学ぶ時間をどう作っているのか、スケジュールの一例をご紹介いただけますか。

最近1番力を入れていたのは通信制大学に入るための小論文の執筆でした。このときはお昼にお弁当を食べたあとに30分、終業後にカフェに行って2~3時間を割き、何を書くのかを考えるところから始めました。ボリュームのある文章を書くのが初めてだったので、考える段階から大変で。そうした生活を1ヵ月ほど続けて完成させました。

今は興味のある科目から学ぶようにしていて、昼休みや仕事終わりに職場と同じ建物内にある図書館で勉強しています。休日にはカフェで3時間ぐらいがんばることもありますね。あとは常に本を持ち歩き、隙間時間に読書をしています。

 

元から勉強熱心なのでしょうか。

いえいえ!特に学校の成績が良かったわけでもなければ、勉強もあまり好きではありませんでした。ただ、学ぶこと自体には楽しさを感じていたため、強制されて学ぶことが嫌いだったんだと思います。

仕事に活かせる学びもしていますが、実は全然関係のないことにも手を出しているんです。メイクが好きだから化粧品検定を受けてみようかな、とか。そして、気分が乗らなかったりやってみたけれど合わなかったりした場合には、潔く中断したり辞めたりもしています。

資格によっては、イメージと実際の内容との間にギャップがあるものもあるんですよね。私の友人はインテリアコーディネーターの資格取得を目指したんですが、思っていたイメージより難しかったらしく、挫折してしまったんです。

講座によっては費用がかかるため、「やっぱり辞めた」がしづらくて一歩踏み出せないという方は、まずは図書館や書店で関連する本を見てみるといいかもしれません。少しでもイメージのギャップを減らした状態で始めれば、続けやすいんじゃないかと思いますので。「絶対にやり遂げなければ」と思っていないのも、私がいろいろ学べている理由かもしれません。

 

挫折せずに続けるための秘訣はありますか?

先ほどお話したギャップを減らしておくことと、「こういうことをしたい」という土台となる想いをしっかり持っておくことですね。通信制大学の小論文を書いたときには、難しくて大変な思いをしたのですが、「入学してこれを学ぶんだ!」という初心を忘れずにいられたから乗り越えられたように思います。

あとは根を詰めすぎないこと。私の場合は遊ぶことでテンションが上がるときと、勉強をすることでテンションが上がるときの両方があるので、「今は遊びだな」と思ったら潔く遊んでいます。今はそのスイッチの切り替えが上手くいっているなと思いますね。

 

学びに時間を費やすことに、周りからの目が気になるという方もいるかもしれません。大西さんはいかがでしたか?

友人から「そんなにがんばっていてすごいね」と言われたことはあります。ただ、自分が好きなことを学んでいれば、だんだん人の目は気にならなくなりますよ。「学び」という言葉が学生時代の「勉強」の印象を与えるために「意識が高い」と思われがちなのかもしれませんが、単に好きなことをやっているだけなので、本当に私は気にならないです。

学ぶことで多角的に物事を見られる社会人になりたい

社会人の学びでは、昇給や昇進を目的にする方もいると思います。大西さんはその点をどうお考えですか?

正直、私はあまりそこに目的意識を持って学んではいないですね。それがモチベーションになる方はもちろん良いと思いますが、私は自分の仕事をもっと楽しむために学んでいる気がします。

 

学ぶことで、どのようなメリットがあると思われますか?

「言いたいことが伝わらない」という場面は、随分と払拭されてきたと思います。今は観光課でイベント企画に携わっていますが、誰に何を伝えたいのかを考えられる力が身に付いたとも感じていますね。小論文を書き切ったことが論理的な思考能力を高めてくれたのかもしれません。

あとは自信ですね。1つの講座をやり切った達成感や資格取得、通信制大学への入学など、やってきたことが自分の自信になると感じています。「やればできるんだ」と思えると、次の挑戦もしやすくなるのではないでしょうか。

 

現在、通信制大学で学んでいる途中となりますが、今後の展望についてどうお考えですか?

今は観光分野の仕事がとにかく楽しいので、学んだことを活かしてお役に立てたらいいなという想いが強いです。通信制大学はまだスクーリングを経験できていないので、同じ目的を持った人と一緒に授業を受けられることに今からワクワクしています。他の学生と話すためにも、必要な知識をしっかり深めておきたいですね。

また、これからは後輩が入ってくるので、わかりやすい言葉で丁寧に教えられる懐の深い先輩になりたいです。学ぶことで多角的に物事を見られる人になって、「こういう考え方もあるんだよ」と伝えられる社会人になりたいなと思っています。


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